実は犬って水分不足になることが多いから気をつけなきゃいけないんだ
え、そうなの❓
人間と違って、意識してこまめに水分を補給しないから、飼い主が水分不足にならないように気をつけて見てあげなきゃいけないのよ
犬も人間と同じように、生きていくために水分が必要です。犬の体は約60~80%が水分で構成されています。水分は血液やリンパ液などの体液として、栄養素や老廃物の運搬や排出、体温の調節や呼吸の補助など、さまざまな生命活動に欠かせない存在です。水分は犬の最も大切な栄養素と言えるでしょう。
しかし犬は人間と違って、喉が渇いてからでないとお水を飲まないので、水分が不足しがち。水分が不足すると、犬は脱水症状を起こします。そうならないように、愛犬の水分補給は飼い主がきちんと管理してあげなければいけません。
しっかり愛犬を観察して、脱水症状を起こさないように注意しましょう。
犬の脱水症状の原因とは?
犬は水分を常に失っています。尿や便だけでなく、呼吸や皮膚からも水分が蒸発していて、特に暑い日や運動した後は、ハァハァと息をすることで熱を放出すると同時に、多くの水分を失っています。そのため、犬は水分をこまめに補給しなければいけません。
水分が失われたまま放っておくと、脱水症状を引き起こしてしまいます。
脱水症状とは、体内の水分が必要量を下回り、体の機能が低下する状態です。脱水症状は、熱中症や下痢、嘔吐などの原因になるだけでなく、筋肉の痙攣や腎臓病、尿路結石などの病気のリスクを高めます。
最悪の場合、死に至ることもあるので、暑い季節や病気のときは、特に注意しなければなりません。
犬の脱水症状の原因
- 水分摂取量が不足する
犬は自分から水を飲むことが少ないので、飼い主がこまめに水を与える必要があります。特に、ドライフードを食べている場合や、暑い環境にいる場合は、水分補給が不可欠です。 - 水分排出量が増える
嘔吐や下痢などで体内の水分が失われる場合や、熱中症で大量に発汗する場合は、水分排出量が増えます。また、利尿剤や抗がん剤などの薬を服用している場合も、水分排出量が増える可能性があります。 - 病気によるもの
消化器系の疾患や腎臓病、糖尿病などの病気は、脱水症状を引き起こしやすくします。嘔吐や下痢により水分が喪失したり、水分の再吸収ができなくなたっり、尿量が増えるたりと原因は様々。緊急を要することもあるので充分に注意しなければいけません。
病気や薬の治療を受けている犬は、通常よりも水分摂取が難しい場合があります。
治療中の犬は特に水分補給に気を付け、獣医師の指示に従うことが大切です。また、特定の疾患によっては、点滴や専用の水分補給方法が必要な場合もあるので、専門家に相談することが望ましいです。
犬が脱水を起こしたときの症状
犬の症状は、軽度から重度までさまざま。こんな症状が出たら注意❗
- 皮膚の弾力がなくなる
脱水症状が起きると、皮膚に含まれる水分も減少し、弾力がなくなります。皮膚をつまんで離したときに、すぐに元に戻らない場合は、脱水症状のサインです。 - 食欲が低下する
脱水症状が起きると、体内の代謝が低下し、食欲がなくなります。食べる量が減ったり、食べ物に興味を示さなかったりする場合は、注意が必要です。 - 嘔吐や下痢をする
脱水症状の原因となる嘔吐や下痢は、さらに脱水症状を悪化させます。嘔吐や下痢が続く場合は、早めに獣医師に相談しましょう。 - 呼吸が早くなる
脱水症状が起きると、血液の循環が悪くなり、酸素の供給が不足します。そのため、呼吸が早くなり、息苦しそうになります。 - 体温が上昇する
脱水症状が起きると、体内の水分が減少し、体温調節ができなくなります。そのため、体温が上昇し、発熱することがあります。 - ぐったりする
脱水症状が起きると、体力が低下し、ぐったりとして動きたがらなくなります。寝ている時間が長くなったり、散歩に行きたがらなかったりする場合は、脱水症状の可能性があります。 - ふらつく
脱水症状がひどくなると、血圧が低下し、めまいや立ちくらみを起こします。そのため、ふらついたり、倒れたりすることがあります。
これらの症状が出てるときはとても危険な状態❗すぐに獣医師に相談してね❗
犬の脱水症状に注意すべき犬種とは?
短頭種
フレンチブルドッグやパグ、シーズーなど、鼻が短く平らな犬種は、呼吸器の構造が特殊で、熱中症を起こしやすいです。熱中症になると、体温が上昇し、脱水症状を引き起こすので注意。
老犬
加齢によって腎臓や心臓などの機能が低下すると、体内の水分量の維持が難しくなり、うまく吸収できません。臓器の機能が低下すると、、脱水になりやすくなります。
また、老犬は、関節炎などで自由に動けなくなったり、中枢神経がうまく働かなくなって喉の渇きを感じにくくなったりする傾向にあります。そのため、お水を飲む量が減り、脱水気味になる犬が多いです。
病気の犬
糖尿病や慢性腎臓病、副腎皮質機能低下症(アジソン病)など、水分代謝に関係する疾患を患っている場合、尿が必要以上に多く出てしまい脱水を引き起こすことがあります。また、病気の犬は、体内の水分バランスが崩れやすいです。適切な水分補給が必要になるので、獣医師に相談するようにして下さい。
犬の脱水症状の注意点とは?
犬の脱水症状は、軽度の場合変化もなく、気づかないことがほとんどです。軽い脱水症状であれば、お水を摂取すると、数時間~数日で改善に向かいますが、脱水症状が進むと、一般的に元気を失い、活動量が減少します。遊ぶことや日常の活動に興味を示さなくなり、お水を飲まないだけでなく、食欲不振に陥ることがあります。
愛犬の何らかの異変に気づいた時は、既に深刻なケースになっていることが多いです。
「とりあえず様子を見よう」と放置してはいけません。命に危険が及ぶこともあるので、すぐに動物病院で受診し、点滴などで処置してもらいましょう。
犬の脱水症状の対処法
犬の脱水症状の対処法は、症状の程度によって異なりますが、基本的には以下のようなことを行います。
- 生活環境を整える
脱水症状を起こさないように、愛犬がいつでもお水を飲めるように給水器などを設置しておきましょう。また、暑い季節は特に注意が必要です。涼しい場所に移動させたり、扇風機やエアコンを使って、体温調節をしてあげましょう。 - 水分を多く含む食べ物を与える
脱水症状を起こさないように、常に清潔で新鮮な水を用意しておきましょう。お水をあまり飲まない子の場合は、ウェットフードを与えたり、犬用ミルクやスープなどで水分を補給してあげる必要があります。 - お腹の調子を整える食べ物を与える
脱水症状が起きている場合は、お腹の調子を整えてあげる必要があります。消化の良いご飯や鶏肉、温かいスープなどがおすすめです。 - 動物病院に連れて行く
脱水症状は病気の前兆の可能性も高いです。元気がない、食欲不振や下痢嘔吐などの症状が見られるようであれば、すぐに動物病院に連れて行くようにして下さい。
犬に水分を補給する方法
犬に必要な水分量は、体重や年齢、食事や運動量などによって異なりますが、一般的には、体重1kgあたり50ml前後が目安とされています。例えば、10kgの犬なら、1日に500ml程度の水分が必要です。ただし、これはあくまで目安であり、犬の個体差や状況によって調整する必要があります。
お水を飲まない時はどうしたらいいの?
お水を飲む量が少ないときは、こんな方法を試してみてね。
- 犬用スープ・ミルク
常に新鮮で清潔な水が飲めるように、水の容器や場所も工夫しましょう。水を飲むタイミングは、寝起きや散歩の後、運動した後、食事の後などです。水を飲まないときは、水に風味をつけたり、温度を変えたりすると飲んでくれるかもしれません。犬用スープやミルクを与えるのもいいでしょう。 - 食事
ドライフードは水分が少ないので、ぬるま湯をかけたり、ウェットフードを与えるのも水分補給になります。また、水分の多い野菜や果物をトッピングしたり、氷を与えたりするのも効果的です。ただし、与え過ぎると下痢や軟便になることもあるので、様子を見ながら与えるようにして下さい。
まとめ
犬は自分で必要な量の水を飲んではくれません。
愛犬が水分不足になり、脱水症状などを起こさないように、飼い主がしっかり管理する必要があります。お水を飲まない時は、ウェットフードや野菜を与えたり、スープやミルクをお水の代用として与えたりと工夫してみましょう。
また、脱水症状は重篤化すると命の危険もあるので、愛犬の異変に気づいた時は、すぐに動物病院へ連れて行くようにして下さい。