ドッグフードって何でもいいの?
愛犬の健康を左右するドッグフードは、しっかり考えて選ばなきゃいけないよ。
間違った基準でドッグフードを選んでしまうと、愛犬の健康を脅かしかねません。こちらの記事では、はずせない基礎的なドッグフードの選び方として、見るべきポイントをご紹介していきます。
「ドッグフードって何を基準に選ぶの❓」という飼い主さんは、ぜひ参考にしてください。
ドッグフードの基礎知識
ドッグフードとひとくくりに言っても、たくさん種類があるのをご存知でしょうか。ドッグフードの種類は、大きく分けると、以下の5種類になります。
- ドライフード
- セミモイスト(半生)フード
- ウエットフード
- 冷凍フード
- フリーズドライフード
それぞれの特徴を簡単にとらえておこう。
➊ 犬のドライフードは、水分含有量が10%未満で、カリカリとも呼ばれます。水分含有量が少ないため、開封後も比較的長期間保存することができ、最も主流である総合栄養食です。
ドライフードはエクストルーダーという機械で製造され、180℃以上の高温で加熱殺菌されます。原料には、犬の健康維持に必要な栄養素をバランスよく含むように設計されています。しかし中には、健康に危険を及ぼす添加物や保存料が含まれているものもあるので、原材料や成分表示をよく確認しましょう。
❷ セミモイスト(半生)フードは、水分含有量が15~30%程度のドッグフードのことを言います。ドライフードとウェットフードの中間に位置するフードで、嗜好性が高く食いつきがいいのが特徴です。
しかし、ドライフードに比べると水分量が多いため、カビや細菌などが繁殖しやすいので注意が必要。劣化を防ぐために、保存料や添加物を多く使用してる場合もあります。また、見た目を美味しそうに仕上げるために、着色料などを加えているものも多いです。
❸ ウエットフードは、水分含有量が60~85%程度で、水分がたっぷり含まれています。お肉や魚の風味がしっかり感じられ、最も食いつきのいいドッグフードです。水分摂取が少ない愛犬にはおすすめですが、ドライフードに比べると歯石や歯垢がつきやすいのがデメリット。
また、基本的には保存料や酸化防止剤を使用していないので、開封後は冷蔵庫で保存し、早めに使い切るようにしましょう。
❹ 冷凍フードは、生の魚や肉、野菜を混ぜたハンバーグなどがそのまま冷凍されていて、新鮮な食材の風味や栄養をそのまま味わうことができるのが特徴です。必要な時に必要なだけ解凍し、長期間にわたって新鮮さを維持できます。
しかし、胃腸の弱い犬や子犬、シニア犬などは生食を上手に消化できず、下痢などをおこす場合もあるので、与える時には充分に注意しなければいけません。
❺ フリーズドライフードとは、生の食材を凍らせて真空状態にし、水分を一気に飛ばして乾燥させた加工方法のことです。熱を加えないので、食材の栄養や組織が壊れにくく生食や手作り食に近い食感や味わいを楽しめます。
嗜好性が高く、食が細い愛犬のおやつやトッピングなどに利用でき、使い勝手が良いのがメリットです。しかし、総合栄養食ではない場合もあるため、きちんと確認する必要があります。
毎日食べるご飯は、『総合栄養食』を選ぶようにしようね。
ドッグフード(総合栄養食)選びのポイント
まずはドッグフード選びの基本ポイントを押さえておこう。
栄養基準
ドッグフードの栄養基準は、国際的に認められている、AAFCO(全米飼料検査官協会)やFEDIAF(欧州ペットフード工業協会)の基準が用いられています。
AAFCO(全米飼料検査官協会)は、アメリカの非営利団体で、飼料とペットフードの品質と安全性の基準を設定する組織です。AAFCOは、州や連邦の法律に基づいて、飼料とペットフードの販売や流通を規制する責任を持ちます。AAFCOは、飼料とペットフードの成分の定義や栄養要件、ラベルの表示基準などを公表しており、多くの国で参考にされています。
FEDIAF(欧州ペットフード工業協会)は、ヨーロッパの18カ国のペットフード協会や企業によって構成される非営利団体です。FEDIAFは、ペットフードの品質と安全性の基準やガイドラインを定めたり、工場の認定を行ったりしています。FEDIAFの栄養基準は、最新の科学的知見に基づいて更新されています。FEDIAFは、ペットフード業界の発展と、ペットの健康と福祉の向上に貢献しています
AAFCOやFEDIAFの基準を満たしているからといって、必ず栄養的に完璧というわけではありません。ペットフードの品質は、原材料の質や添加物の量、製造工程などにも影響されます。また、ペットの種類や年齢、体重、健康状態などによって、必要な栄養素の量や種類も異なります。したがって、ペットフードを選ぶ際には、AAFCOやFEDIAFの基準だけでなく、パッケージの表示や成分表をしっかり確認することが大切です。
『絶対』や『完璧』はないから、一つの指標として覚えておこうね。
海外は文化も違うし、この基準さえ満たしていれば100%大丈夫!と過信するのは危険。必ず原料を確認しようね。
原料をチェック
原料とは、ドッグフードの中で最も多く含まれている成分のことです。原料はドッグフードのパッケージに記載されていますが、多く配合されているものから順番に書かれています。一番左にかかれているものが主原料になり、ドッグフードの品質や栄養価を判断するための最も重要な指標です。
一般的に、ドッグフードの主原料は、動物性タンパク質源や植物性タンパク質源のどちらかに分類されます。動物性タンパク質源とは、鶏肉や牛肉、魚肉などの肉類や内臓類のことで、植物性タンパク質源とは、大豆やとうもろこし、小麦などの穀物や豆類のことです。
ドッグフードの原料を確認することで、愛犬に適したドッグフードを選ぶことができます。愛犬の年齢や体重、健康状態などに合わせて、原料の種類や量を考慮しましょう 。
安全性をチェック
ドッグフードを選ぶときに気になるのが、添加物の有無や種類です。添加物とは、食品や飼料に使用されるもので、栄養価や品質、食いつきなどを改善する目的で使われます。しかし、添加物には安全性や必要性に疑問があるものもあります。
名称 | 危険な合成添加物 | 理由 |
---|---|---|
酸化防止剤 | BHT | 発がん性や肝臓への悪影響が疑われている |
BHA | ||
エトキシキン | 発がん性や免疫系への悪影響が疑われている | |
没食子酸プロピル | 発がん性やアレルギー反応を引き起こす可能性が疑われている | |
着色料 | 赤色2号、黄色4号、青色1号 | 発がん性やアレルギー反応を引き起こす可能性が疑われている |
添加物は、ドッグフードの品質や保存性を保つために必要な場合があります。しかし添加物は、犬の健康に不必要なものであることも多いです。
ドッグフードを選ぶ際には、添加物の種類や量を確認しなきゃいけないね。
愛犬の個体に合わせる
毎日食べるものだから、愛犬の性格や年齢・好みに合わせてあげることも大切だね。
- 生活スタイルやリズム
アクティブな犬種や運動量が多い犬は、エネルギー豊富で栄養バランスの取れたフードが適しています。逆に、高齢犬や運動が少ない犬は、カロリーコントロールや関節ケアが考慮されたフード、肥満気味なら低カロリーで食物繊維が豊富なフードがおすすめ。愛犬の生活リズムや運動量を考慮して、ドッグフードを選びましょう。 - 嗜好性や好み
毎日食べるドッグフードだから、愛犬が食べることに喜びを感じることが大切です。犬の嗜好性は、犬種や年齢、性格などによって異なります。例えば、小型犬や高齢犬は歯が弱いため、柔らかいドッグフードを好むことが多いです。また、好奇心旺盛な犬は、色や形などに興味を示すことがあります。犬の嗜好性に合わせてドッグフードを選ぶことで、犬の食欲を促進することができます。 - 体質
アレルギーがある場合は、特定の食材を避けたフードを検討し、敏感な胃腸を持つ犬には消化しやすい成分が配合されたものが適しています。獣医師のアドバイスを仰ぎつつ、ペットの健康状態に合わせたドッグフードを選択することで、体調管理に寄与します。 - 粒の大きさ
犬の体のサイズに合ったドッグフードを選ぶことは、適切な栄養摂取と健康のために不可欠です。小型犬、中型犬、大型犬それぞれに適した栄養バランスがあります。小型犬は小さな歯や胃袋を考慮して小粒のフードが良く、中型犬や大型犬は関節や筋肉のケアを考えたフードが適しています。
飼い主の好み
ドッグフード選びは、結局のところ飼い主さんの価値観によって決められることが多いの。飼い主さんがこだわるポイントはこれ👇
- オーガニック
- ヒューマングレード
- 原産国
人間が食べられる品質の原材料を使用した「ヒューマングレード」
化学肥料や農薬を使わずに栽培された原材料を使用した「オーガニック」のドッグフード
これらは安全性や健康面を考える飼い主さんにとっては、必要不可欠な条件ではないでしょうか? デメリットとしては、体に優しい素材を使用し手間ひまかけて作られているドッグフードは、価格が高めになる傾向があります。
また、原産国にこだわる飼い主さんも多く、特に「国産」に限定して購入する飼い主さんも多くいます。海外産は「安全」と謳っていても、国によって価値観や法律が違うので、やはり不安はぬぐいきれないようです。
国産のドッグフードは、日本の気候や風土に合わせた原材料や配合を用いているため、感覚的に安心感があります。ドッグフードの選び方は、飼い主の好みや犬の状態によって異なりますが、これらのこだわりポイントも是非、参考にして見て下さい。
まずは、飼い主さんの好みやこだわりを明確にしないといけないね。
まとめ
愛犬を健康で長生きさせるためには、良いドッグフードを選ばなければいけません。
安いドッグフードを適当に選んで与えていると、将来思わぬトラブルや病気を発症させることになる可能性も…。まずはご紹介した、基礎的なドッグフードの選び方を押さえておきましょう。
- 栄養バランス
- 原材料のチェック
- 添加物のチェック
特にこれら3つのポイントはパッケージを見てしっかり確認して下さい。
良いドッグフードを選び、愛犬の健康を守ってあげてね。